別れ

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翌日から、あの子はこの道を通らなくなった。 わざわざ遠回りして学校へ行っているようだった。 私は涙が止まらなかった。 謝りたかったけれど、怖くて会いに行けなかった。 もう私の言葉はきかないだろう、私のことは見ないだろう。 それでも・・・・ 私は猫に化けてあの子を探した。 ガサガサ ドクン ドクン ドクン ガサッ いた!! あの子は一人で草原に座っていた。 今日もあの子はひとり。 ガサッ びくっ 少年「・・・なんだ、猫か・・・・・・おいで・・」 少年は私を抱き上げてくれた。 少年「・・・お前、良い匂いがするね。」 あんな優しい顔も出来るのか。 ・・・ああ、私は 本当の猫だったら良かったのに・・・ そうしたらきっと、この子のそばに・・・・・ 少年「お前はいいなぁ・・・・僕も早くひとりになりたいなぁ・・・・ひとりで生きていきたいなぁ・・・・」 私は、妖で人のことはよくわからない。 けれど、ひとりは悲しいことだよ。 それだけはわかるよ。 それだけは知っているよ。 、
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