恋文

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私の事を覚えていますか? 私は一日たりとも あなたを忘れた事はありません 私がどんな想いで 小学校 中学校 そして、今を生きる高校。 どんな想いで過ごして来ているか あなたに分かりますか? 分からないでしょうね だって 私は[告白]なんて した事ありませんから だからこそ あなたが[好き]と 言ってくれた時 嬉しかった 嬉しかった 私が私で 無くなる程に あなたが[告白]したあの日 あなたは照れていたね 帰り道でも あなたは照れていたね それこそ 手が繋げられない程に だけど。 ある夕暮れ時のこと 私とあなたが 寄り添う様に歩いていた時 信号無視の車が 私に 私に 襲いかかる様に 突っ込んで来た あなたは私の代わりに ―――轢かれたんだ。 私だけを 守る為に。 頭が 真っ白になった どうして? どうして? 何で? 何であなたは 旅立たなければならなかったの? 私だけの、為に。 私が気付いていれば あなたはいなくなる事は無かったのかな? その自責の念が 私を締め付ける 時は巡り。 あなたがいなくなって一年 私は今、あなたが眠る所にいる あなたが、あっちで この手紙を読んでくれる事を祈りながら あなたの幸せを願いながら あなたが眠る所に この手紙を置くよ 題名は、溢れる想いと一緒に、 「遠くて、近くにいるあなたへ」と。
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