第20章~常闇のゆりかご~

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「──……きな……い……──」 「!!」 その時だ。 耳元で誰かの声がした。 かすかな声。 しかし、確かに聞こえた……君の声だ。 「……きなさい……」 「……ソ……ティア……」 そうだ、思い出した……君の名前……。 その瞬間、目の前に一筋の光が現れた。 その光はまとわりついていた闇を封じ、葬ってくれ闇の代わりに自分を温かく包み込んでくれた。 行かなければ。 俺は体に力を入れて、フラつく体を起こし立ち上がった。 光はどんどんと大きくなっていって全体を支配する。 闇しかなかった世界が一変、光の支配する世界へと変貌を遂げたのだ。 「……おきなさい……」 再び君の声が聞こえた。 分かってるさ……今行くから。 震える体を動かして、ゆっくりと光に向かって歩いていく。 もう少し……もう少しで君に……君と……。 「ソティアッ」
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