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クレイドは意味が分からないのと、そもそも誰なのかということで頭が混乱する。
ヴィーナはパッと手を離して仁王立ちとなり、クレイドに向かってバシッとこう言った。
「よく聞きなさいクレイド・リスメント。今、この場をもって、あなたを私、ヴィーナ・ヴァレンス空軍中佐代理の弟子とします。良いわね」
急に嵐が吹き荒れたような……訳が分からないような……そんなかんじ。
満足気にフフフッと笑みを見せるヴィーナ。
クレイドはポカンと口を開け、目の前で妙にいばった風に立っている女性を見上げ、ただただリアクションに困った。
「……え?」
「長官っ、これは一体……それに弟子ってどういうことです?」
一連の出来事を見終え、コアが隣のセドに抗議をする。
急なことだらけでコアにしても把握しきれていないのだ。
「クレイドは彼女の弟子に最適だと思ってな」
腕を組み、下の様子を眺めながらセドは言う。
「お前も知っているだろう。彼女は……」
一間、置いて。
「ヴィーナ・ヴァレンスはクレイドと同じ、炎のスウィイルを持った真恵者だ」
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