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「なに?」
「!!うっあっ」
突然、目の前にソティアの顔が現れた。
クレイドは驚き2、3歩後ろによろけてしまう。
それを見てソティアは微妙な含み笑いをした。
ここは……自分は……
どうやら現実世界へ戻ってこれたのか……頭をかいて辺りを見渡す。
まだ少し混乱しているのか、彼女の姿が二重に見えた。
「……何がどうなってるのか……ソティア……俺は……クレイド?」
自分でも意味不明な質問をしていることは分かっていた。
するとソティアはいつもの真顔に戻って口を開く。
「当たり前でしょ。あなたはクレイド・リスメント。女神の欠片の片割れであり、今まで気を失って眠り続けていた」
「気を?……!!……そうか」
その言葉でやっと思い出した。
自分はリンディレスカの街での戦いで記憶を取り戻して、その衝撃のせいで暴走し街を破壊。
今の今まで気を失っていた……ということは?
「今まで眠ったままの俺を皆で運んできたと……そういうことか?」
もしそうだとしたら、かなり皆に迷惑をかけただろうし何より……かっこわるい。
ソティアはフゥッと溜め息をついて、クレイドを指差した。
「そんな訳ないでしょ。私達はあなたを置いてリンディレスカを出発。あなたは、そのままリンディレスカに残って今も眠り続けている」
「え?いや……でも俺はこうしてソティアと話してるし、同じ場所にいるわけで」
それでは矛盾している、とクレイドは言うが。
「ちょっと自分の体をよく見てみてくれる?」
少し小バカにしたような顔をして、ソティアは命令をする。
意味が分からず、クレイドは自分の体を見てみる。
すると
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