第20章~常闇のゆりかご~

4/28
前へ
/235ページ
次へ
「なに?」 「!!うっあっ」 突然、目の前にソティアの顔が現れた。 クレイドは驚き2、3歩後ろによろけてしまう。 それを見てソティアは微妙な含み笑いをした。 ここは……自分は…… どうやら現実世界へ戻ってこれたのか……頭をかいて辺りを見渡す。 まだ少し混乱しているのか、彼女の姿が二重に見えた。 「……何がどうなってるのか……ソティア……俺は……クレイド?」 自分でも意味不明な質問をしていることは分かっていた。 するとソティアはいつもの真顔に戻って口を開く。 「当たり前でしょ。あなたはクレイド・リスメント。女神の欠片の片割れであり、今まで気を失って眠り続けていた」 「気を?……!!……そうか」 その言葉でやっと思い出した。 自分はリンディレスカの街での戦いで記憶を取り戻して、その衝撃のせいで暴走し街を破壊。 今の今まで気を失っていた……ということは? 「今まで眠ったままの俺を皆で運んできたと……そういうことか?」 もしそうだとしたら、かなり皆に迷惑をかけただろうし何より……かっこわるい。 ソティアはフゥッと溜め息をついて、クレイドを指差した。 「そんな訳ないでしょ。私達はあなたを置いてリンディレスカを出発。あなたは、そのままリンディレスカに残って今も眠り続けている」 「え?いや……でも俺はこうしてソティアと話してるし、同じ場所にいるわけで」 それでは矛盾している、とクレイドは言うが。 「ちょっと自分の体をよく見てみてくれる?」 少し小バカにしたような顔をして、ソティアは命令をする。 意味が分からず、クレイドは自分の体を見てみる。 すると
/235ページ

最初のコメントを投稿しよう!

79人が本棚に入れています
本棚に追加