第23章~彼女の場合~

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「……ィア……ソティアッ」 「……っ」 声が聞こえたことに反応し、ソティアはパッと目を開けて勢い良く起き上がった。 彼女を起こしに来ていたエーフィは突然の反応にびっくり仰天といったかんじで体をそらせ、パチクリとする。 「……」 ここは……グレアノルムの村の建物の中。 そうか……あの儀式の後、疲労が激しかったから、そのまま休ませてもらうことになって……。 そう思い出して無言のままソティアはベッドから起き上がりエーフィを見た。 エーフィは何も言わずこちらを睨んでいるソティアを見て、ここ……喋るとこ?と多少気兼ねしながら、とにかく口を開いた。 「もう用事は済んだのかな……元帥がそろそろ出発したいって言ってるんだけど」 目を横にやって話しにくそうにするエーフィ。 実際、話しにくいのである。 「……もう大丈夫よ。出発しましょう」 そういうことか……とソティアは木造の床をギシギシ言わせながら出口へと向かった。 エーフィも後ろから付いてくる。 「……他の人達は」 エーフィしか見当たらない気がしてソティアは聞いてみる。 それだけでもエーフィは話し掛けてきた、といちいち反応する。 それが彼女を無口にさせる原因だったりする。 二人は扉を開けて階段を下り、民族村のようなグレアノルムの町に出た。 ソティアを見つけて何人かの村人達がお辞儀をする。 「ああ、他の皆はもう陸艦で待機してると思うよ……それよりさ、さっきから思ってたんだけど耳に付けてるピアス……片方なくない?なくしたとか?」 報告だけで済ませば良いものをエーフィはソティアの前に回り込んで顔をマジマジと眺める。 ソティアはピタリと立ち止まり、いかにも迷惑だと言わんばかりの顔をして目をそらした。 「……あなたには関係ない」 そう言ってエーフィの横を通り過ぎていく。 そーですかーとブツブツ後ろで文句を言いながらエーフィは後から付いてくる。
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