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「ねぇねぇ、はづきょん」
「ほぇ?」
聖美に言われて、葉月が首をかしげた。
「ちょっと聞くんだけど、今って全力投球じゃないよね?」
「きゃはは、当たり前じゃん。いきなり全力で投げたら、肩壊しちゃうじゃん」
葉月が笑顔で言っったので、聖美はホッとする。
「うそぉー、これで全力じゃないの?」
この段階で、すでに自分より速い球を投げている葉月に、全力じゃないと言われて、
二年生の二番手投手、加藤奈月は唖然とした。
葉月は黙々と、肩慣らしを続け、二十球ほど投げてから、
「んじゃあ、そろそろ本気だすよ」
と笑って手をあげた。
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