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「いいわよ」
聖美が言って、
「ヨシこい!」
永理が気合を入れた。
葉月はゆっくりとしたモーションで、大きく振りかぶる。
高く足をあげ、思い切り踏み込んで、永理のミット目がけて投げ込んだ。
「低い!」
永理は低めのボールにミットを下げた。
自分が思うより、かなり速くボールが来る。
しかも、永理の目測よりも、ボールが伸びてきた。
次の瞬間……
ボールは差し出したミットの上を通って、永理のノドを直撃した。
「グゥゲェホ」
永理はそのまま、後ろに転がって、ノドを押えて転がりまわった。
息が出来ないため、顔が紫色に変わってくる。
「救急車!」
聖美が一年生部員の方を向いて叫ぶ。
言われた一年生は、あわてて職員室へと駆け出した。
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