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「監督さぁ~ん」
赤岩は監督の野中ほうに向かって、駆け寄った。
「ん? なんだ赤岩?」
赤岩は監督の野中に、里奈の方を指差しながら、事情を説明する。
「ほう……やっぱり、そういうことになったか……」
そう呟くと、野中は里奈のほうに近寄って声をかけた。
「君か、山本のキャッチャーをやりたいって娘は? 事情は分かってる。
そういうことなら、二週間、全面的に協力するから、
山本と君は、こっちの練習に参加しなさい」
「は……はい?」
里奈は驚いて、恐縮した。
「よ~し、じゃあ俺が直接、平尾先生と話しして来てやろう」
そう言うと野中は、女子野球部の練習場へと向かって歩き始める。
里奈は、慌てて断わろうとしたのだが、タイミングを失って……
もしかしてとんでもない事を、気軽に言ってしまったかと、
少し後悔しながら、その後に続いて歩いた。
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