姫!親友里奈決意!の巻

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大会の開催される兵庫県に向かう前日、 里奈は久しぶりに女子部の練習に参加した。 「監督、何とか大会に間に合いました」 「そうかぁ~、いやぁ~よく頑張ってくれたな」 ペコリと頭を下げた里奈に、監督の平尾は笑顔で嬉しそうに答えた。 「よし、これで今年こそは、決勝トーナメントが見えてきたな」 「はい。っていうか、私は受けるだけなんで、葉月次第ですけど……」 「ねぇねぇ、はづきょんの全力の球、打ってみたいんだけど」 チームの四番打者、濱村美鹿子が目を輝かせる。 「うん、いーよ。バンビちゃん」 「ちょ、はづきょん。そのバンビちゃんって言うのを、止めてっていつも言ってるでしょ!」 「いいじゃん、だって美しい鹿の子って言う名前なんだから、仕方ないじゃん」 葉月はニヤニヤしながらからかう。 「もう! 知らない!」 美鹿子がふくれて、周りのみんながニヤニヤ笑った。 「まぁ、確かに美鹿子は、バンビって柄じゃないもんね」 聖美がケラケラ笑う。 「うるさいわね! はづきょん、さっさとマウンドに上がんなさい」 美鹿子は大声で怒鳴った。
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