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結局、美鹿子は全てが振り遅れての、三球三振だった。
おそらくチームで一番打撃の良い、美鹿子でこのありさまなのだから、
他の誰も打てるとは思えない。
これなら、大会に参加して以来、初めての決勝トーナメント……
いや、初優勝だって夢じゃない……
キャプテンの、聖美だけでなく、そこにいた全員がそう思った。
みんなが期待に夢を膨らませる中、
ただ一人、苦虫を噛み潰しているのが、そう……正捕手の三浦永理だった。
予選は三連投……
うち、二勝すれば決勝トーナメントだから、
一試合は、真由子と奈月が投げるから、永理にも出番はあるが、
決勝トーナメントは二試合。
おそらくは、葉月の連投になるから、永理に出番はない。
今更ながら、諦めないで葉月の球が捕れるように練習しておけば良かったと悔やんだ。
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