姫!親友里奈決意!の巻

21/21
前へ
/409ページ
次へ
「でもね祐介」 「な……何?」 「葉月は無理だよ」 「え……なんで?」 「あの娘はさぁ、私たちとは住む世界が違うんだよ」 「え?」 「私は親友だと思ってるけど……たぶん葉月も今は、そう思ってくれてると思うけど……」 里奈は一瞬遠い目をする。 「あの娘は、日本中の注目を集めるスターの素質がある娘。 祐介はそんな娘を、幸せにする自身がある?」 「そ……それは……」 里奈に言われるまでもなく、祐介自身がずっと前から感じていることだった。 「私は……私はずっと祐介の側にいたい」 「里奈……」 「祐介には、私くらいのが丁度良いんだよ。だから……」 「だ……から?」 「私のことを好きになって……」 里奈はそこまで言って、涙をこぼした。 今までずっと、ただの幼馴染でしかなかった里奈が、 祐介の中で、一人の女性に変わった瞬間だった。
/409ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1703人が本棚に入れています
本棚に追加