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「でもね祐介」
「な……何?」
「葉月は無理だよ」
「え……なんで?」
「あの娘はさぁ、私たちとは住む世界が違うんだよ」
「え?」
「私は親友だと思ってるけど……たぶん葉月も今は、そう思ってくれてると思うけど……」
里奈は一瞬遠い目をする。
「あの娘は、日本中の注目を集めるスターの素質がある娘。
祐介はそんな娘を、幸せにする自身がある?」
「そ……それは……」
里奈に言われるまでもなく、祐介自身がずっと前から感じていることだった。
「私は……私はずっと祐介の側にいたい」
「里奈……」
「祐介には、私くらいのが丁度良いんだよ。だから……」
「だ……から?」
「私のことを好きになって……」
里奈はそこまで言って、涙をこぼした。
今までずっと、ただの幼馴染でしかなかった里奈が、
祐介の中で、一人の女性に変わった瞬間だった。
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