2/8
前へ
/28ページ
次へ
少し軽くなった気持ちで家につくと、玄関に見え覚のある靴 「じん…」 曇った思いに切り替わって恐る恐るリビングを覗くと、ソファーに座った仁の背中が見えて、小さな声で 「ただいま」 『あっ、おかえり~』 顔だけ振り向いた仁は笑顔だったから、ホッと肩をおろす 「風呂入ってくる」 きちんと顔を合わすことなく逃げるように去ると、仁の黙って後ろから刺さる視線が痛かった 別にやましいことはしてないんだけど、つい先程まで女性と食事していたことは事実で… 実はその時に仁から電話がかかってきたんだ いつもなら普通に出るんだけど、久し振りの大人の女性との時間は、楽しくて落ち着けて、安心した だから、誰といるかって聞かれても面倒くさくて…、バイブが鳴り続ける鞄の中の電話を、気づかないふりして足元に隠した 止まったと思って、安心したら、また何分後にすぐかかってきて、携帯の電源自体を切った自分に 後に最低だと後悔する なんでだろう…、最近、仁とは上手くいってないわけじゃなかったのに 女性らしい気が利くとことか、人生経験豊富で聞いててために成ることばかりで それが久し振りに、新鮮だった…のかな? でも、仁を無視したこと事実は、最低だな俺
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

940人が本棚に入れています
本棚に追加