尽きない苦労。

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光「はぁ~、クラス代わっちゃう前に高賀君戻ってこないかなー。」 光が溜め息を吐きながら呟く。 本人がいない時は中々嬉しい事を言ってくれるな、光は。 眞木「そうね。からかう相手が葵だけじゃイマイチ盛り上がらないものね。」 葵「えー、あたしじゃ不満なの?」 突っ込む所が違うだろ! ええい、誰かここにツッコミをいれる事が出来る奴はいないのか!? 彩「か、からかうとかはともかくクラス別れちゃうと話す機会も減っちゃうしね……。」 光「そうだねー。今日はお見舞いに行こうかなー?恩も売っておきたいし!そしたら後々何かと役立つかもしれないしー。」 安心しろ。たった今光から恩を買う事はなくなった。 高賀『ま、まぁ……コウ君も寂しいと思うし、皆で会いに行ったら良いんじゃないかな?』 実際、ハルちゃんもいきなり入れ代わられて歩けなくされて……気分悪いだろうしな。 今だって暇してるだろうし……。 その頃……。 晴香「すごーい!肩が凄く軽い!胸も窮屈じゃないし、やっぱり胸がないって良いなぁ……。」 病室で立ち上がる晴香は早速胸がない事に感激する。 看護婦「……!高賀君、まだ立っちゃ駄目じゃない――って、アレ?先生のおっしゃる通りならあと2週間は立てない筈だけど……。」 晴香、早くも二足歩行達成! 光「そうだね。眞木ちゃん、今日はどうするの?」 眞木「そうね……。」 眞木が俯き、考え込む。 この様子からすると、まだ完全に立ち直ったと言うわけでもないようだ。 眞木「今日は……ええ、行こうかしら。あんまり行かないと高賀が拗ねるかもしれないし。」 光「わー、良かったぁ!私ずっと眞木ちゃんが高賀君と喧嘩したんだと思ってたよー!」 眞木「そんな事ないわ。高賀は今だって私の大事な奴隷……だもの。」 光「恋人と言う名の奴隷だね!」 光のその一言に眞木の表情が僅かに歪む。 彩「眞木さん、どうしたの?具合でも悪いの?」 眞木「……何でもないわ。ちょっと頭痛がしただけ。ほら、私って……か弱いじゃない?」 光「自分をか弱いなんて言うと全く説得力ないよー。あはははっ!」 光の声に合わせて周りも笑顔を見せる。 高賀『………。』 だけど、そこに眞木の笑顔はなかった。
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