尽きない苦労。

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そんな訳でとんでもなく苦労しそうな生活がスタートした。 ちなみにハルちゃんは驚異的な回復力を見せ、2年生になる頃には復帰するそうだ。 高賀『あ……ちょっとトイレ。』 晴香「うん、行ってらっしゃい。」 ハルちゃんが居る病室を出るとトイレへと向かった。 おっさん「お、おい……君ィ……!」 高賀『ん?何ですか?』 まさかトイレで知らないおっさんに話かけられるとは……あ……。 おっさん「こ、ここは男子トイレだ!それともワザと……。」 今俺は女の子なんだった……! 高賀『し、失礼しましたー!』 俺は急いで女子トイレの方へ逃げて来た。 高賀『………。』 ゴクリ……。 じ、女子トイレに入るのなんて初めてだ。 手洗い場には化粧をしてる女性が居て、こちらをチラリと眺める。見た目同年代くらいだ。 高賀『ど、どうも!?』 女性「…………。」 上擦った声挨拶をするもその女の人は俺を無視して再び化粧を続けた。 高賀『………。』 この人……何で病院に来てまで化粧してるんだ? 女性「あんたさぁ。」 高賀『え?』 な、何だ!? 女らしく出来なかった? しまった……がに股になってたかもしれん……。 女性「いつ出会いがあるかもわかんないんだしさぁ、化粧くらいしたらどう?」 化粧……? いや、した事ないし……そんなの……。 高賀『は、はぁ……。』 女性「あーあ、もったいない……。」 パチンと化粧道具を閉じる。 女性「ま、どうでもいいけど。」 化粧を終えた女性はトイレから出て行った。 高賀『………。』 何だったんだろう……あの人……。 あ、トイレトイレ……。 俺は急いでトイレに駆け込むと、そこには便座があった。 高賀『さてと……。』 あれ……? そういえば……どうやってすればいいんだ? 結局何もせず病室まで戻ってきた。 高賀『ハルちゃーん。』 戻って来てから気付いたがトイレのやり方を教えてくれなんて言えない事に気付く。 晴香「………。」 しかし、ハルちゃんは何故か無言で俯いていた。
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