第2章

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「トーマス・メイヴェルです。 吸血鬼です。 よろしくお願いします」 「……自分で『具体的なこと言え』って言っといて、まさかそれで終わりじゃないよね?」  私の言葉を聞いて、トーマスは自分の右耳を引っ張る。 「……それ、癖?」 「あ、はい、癖です。 困ったなぁとか思っていると、でちゃう癖なんですよ」  そう言ってにっこり笑う顔にムカついたので、質問攻めしてみる。 「歳は?」 「20歳です」 「どこ住んでるの?」 「定住してません。いろいろ旅してます」 「仕事は?」 「今は無職です」  
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