第2章

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「…………。 その返事は、『また今度』で良いですか?」  トーマスはにっこり笑ってそう言ったのに、私には『絶対に教えません』って聞こえた。 「別に良いけど……。 私、退魔士だよ? トーマス達吸血鬼にとって、最大の敵だと思うけど」 「あなたのようなド新人は、俺の敵ではありません。 むしろ……」 「むしろ?」 「……何でもありません。 さあ、分かったら早く寝てください。またユージーンに怒られてしまいます」  そう言って笑うトーマスの顔は、どこか哀しそうだった。 ……私の気のせいかもしれないけど。  
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