第1章

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 さっきから<火球>やら<雷襲>やら当ててるのに、フラフラになりながら立ち上がって、私に飛びかかってくる。 そのとき咬まれた傷が、右肩に、左太ももに、深く刻まれて痛い。 仕事着である白のツナギが、赤く染まっていく。  ってか何で新米の私に、こんな強い奴ぶつけるのよ! 私が聞いてたのは『黒い小さなうさぎが林の中にいるから退治してきて』ってだけなんですけど! 「もう怒った……。 <水球>!!」 水の球を、大きなうさぎに放つ。  もう倒れなさいよ! という気持ちを込めて、うさぎを睨むと、うさぎは軽々と<水球>を避け、こっちを向いて飛びかかろうと構えた。  殺られる。 とっさに目をつむった。  
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