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「あぁ、自己紹介がまだでしたね」
うっかりしてましたって言いながら、うさぎのお腹に刺したままにしていた腕を抜く。
真っ黒のベタベタしてそうなものがついた腕をブラブラさせながら立ち上がり、青年は再び微笑んで一礼する。
「俺、トーマス・メイヴェルと申します。
あなたは?」
「スーザン・エリオット……。
っていうか、さっきはありがとう。
怪我は……?」
「ありませんよ。
それよりあなたの傷をなんとかしないと……」
次の瞬間、身体がフワリと浮いた……って
お姫様だっこ!!?
「俺の知り合いの医者のところに連れて行きます。
しっかり掴まっといてください」
言うや否や、物凄い勢いで走り始めた。
ぇ、何でこんなに足はやいの? ってかさっきの腕やっぱりベタベタしてるし、お姫様だっこって…………。
フッと意識が遠のいた。
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