第2章

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  †‥‥‥‥‥‥† 「ス………、……ザン、スーザン」  その声とともにいきなり頭を揺すぶられ、私は慌てて目を開けた。 「気がつきましたか。 よかった……」  寝ている私の頭を掴んで揺すぶっていたのは、やっぱりというかなんというかトーマスだった。 「ん……」  まだ揺れてる感じがする頭をおさえながら、ちょっと起き上がってみる。 病院の個室のベッドに寝かされていたらしい。 窓の外では、細い三日月が輝いている。 肩と太ももの傷口をソロソロと触ってみると、包帯が丁寧に巻いてあった。 「馬鹿野郎、お前の彼女だろうが。身体いたわれ」  そしてそのトーマスの頭をぶっ叩いた白衣の人は…… 「誰?」 「スーザン、こちらは俺の知り合いのユージーン・スタイン医師です。 ユージーン、スーザンは俺の彼女じゃありませんってば」  その言葉を聞いてまた見ると、その人はにっこり笑って私を見た。 黒髪の……、歳は30歳くらい? 笑顔が爽やかなお兄さんだ。 「呼び方はユージーンで良いから。 ってかスーザンも運が悪いねぇ。トーマスと会っちまうなんてさ。 ま、入院費とかはトーマスに払わせるし、別に傷のことをとやかく聞いたり調べたりはしねぇから。 二人で仲良くやってくれ。 ぁ、トーマスは後で俺んとこ来い」  じゃあな、と軽く手を振りながら、ユージーンさんは部屋を出ていってしまった。 困ったことに、部屋には私とトーマスの二人きり。 ……気まずい。   
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