遊女

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その時――――― 「キャァァァァァァ!!!」 「!…何…?」 廊下の一番端にある部屋から遊女と思われる悲鳴が響いてきた。 お稔はすぐさま悲鳴が聞こえた部屋へ走った。 襖を少し開け覗いて見ると―― 遊女が肩から腰辺りまで斜めに斬られ、血を流して倒れていた。 「大丈夫か!?」 襖を勢いよく開き、お稔は遊女に駆け寄った。あまりの出来事に男言葉が出ていた。 「おぃお前、新しい女ぁ連れてこい」 後ろを振り向くとかなり酒に酔ったと見える男が血で濡れた刀を持って立っていた。 「お前が斬ったのか?」 お稔は怒りに震えている。 だが男は酔っていて言葉で返せていない。 「い~いから女連れてこい!」 ―――――――ブチッ お稔はキレた。 そのまま怒りにまかせて部屋の物を投げた。
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