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店に戻ってきたお稔は案の定女主人のお幸(サチ)に叱られた。
「今日はお客が着いてるんよ!?早よ着替えてきぃ」
そう急かされ自室へ戻った。
自室ではカムロのお光が待っていた。
「お帰りなさい、稔太様」
お光には本名の稔太と呼ぶように言ってある。
お光は早速お稔の着替えに取り掛かった。外を走り回ったため着物はホコリまみれ、髪は短いため問題なかった。
あと、お光はお稔が男という事を知っている。知っているのはお幸とお光と旦那様位だ。
「出来ましたよ」
そう声を掛けられやっとお稔は寝そべった。それを気にせずお光は予定を話していく。
「今晩は新撰組御一行様がいらします。琴音太夫の席に同席します」
その瞬間、寝そべっていたお稔はお光に飛び付いた。
「新撰組が来るの!?」
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