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「あ、土方さんその子は話し方が少しおかしいけど気にしないでください」
クスリと笑いながら琴音太夫が土方に忠告した。
「あぁ、構わねぇよ」
土方はお稔との会話に花を咲かせますますお稔は舞い上がっていった。
桜丸屋は新撰組の馴染みの店であって土方などはよく通っている。琴音太夫はそのたびに接客するため新撰組と仲がよいのだ。
ドンチャン騒ぎの中、お稔は主人に渡すよう預かった金子を届けに部屋を出た。
部屋の外は暗くて少し肌寒かった。
『早く届けて部屋に戻ろっ』
そう思い小走りで主人のいる帳場へと向かった。
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