『別れよう』

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彼との出会いは4月ごろ 高校の入学式が終わって クラスわけが発表された はじめての高校で 友達を作ることにもうとい私に 彼は陽気に話しかけてきた… 『ハローン✨あら真面目ちゃん?』 『…』 最初は無視した でも 話してるうちに だんだんひかれた… 『有紀ちゃん🎵』 『その呼び方…やめてくんない?』 『おっ、応答あり!やっと話し聞いてくれたね✨』 『~…』 ほんとは 嫌じゃなかったの ただ 裏切られるのが怖かったの でも アナタは… 『俺は…裏切らないよ…』 『え…』 不意にキスされた 何がおこったかわからなくて 一瞬戸惑った 『な…にをっ!』 振り払おうとした手が 私をとらえて離さない… 駄目…私は… 好きになっちゃうから…やめ… 『好きだから』 『え?』 『俺は…有紀にどう思われても有紀が好きだから』 名前を呼ばれたのははじめてで その言葉が 何かくすぐったくて 私の口は思わず… 『…わた…しも…好きだよ…』 『有紀…』 もう ちゃんづけじゃなくて 名前でいっぱい いっぱい呼んでほしい… "好き"なんて 言えないと思ってたのに… ありがとう 君が勇気をくれた… 『…好き』 それからの私は何もかもが変わって まるで生まれかわったみたいだった… もともとクラスの人気ものだった隼人君のおかげで友達もできた… 『なぁ…いい加減俺のことも名前で呼んでよ…有紀…』 『う~…恥ずかしいし…』 『駄目。強制だよ』 『う…は…隼人…』 『よしよし、よく頑張った✨』 幸せだった… まだ この頃は 幸せだと…思ってたの…
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