一番になりたい…。

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「どうしたん…⁉」 わたしが尋ねると彼女はかなり慌てて「助けて❗❗早く来て❗❗私達じゃどうしようもないの❗」と半泣きになっている。 よくよく聞いてみると、何やら自宅で友達数人と飲み会をしていたのだが、一人が霊にとり憑かれたらしく、暴れて手に負えないのだと言う。 私は自室へ飛んで戻り、同級生に事情を話し、人手がいるので協力をお願いして、いわゆる「除霊セット」を小脇に抱え後輩の家へと走った。 この頃の私はちょくちょくこういった現象にかりだされ無償で除霊を行っていた。 後輩の自宅へ入ると、彼女のお母さんが心配そうに階段を見上げていた。 二階からは物凄い怒鳴り声と、何かを投げ付ける音がひっきりなしにしていた。 私達に気づいたお母さんが「宜しくお願いします。」と頭を下げた。 その間も怒鳴り声と物音は止まない。 二階へと続く階段を上がり、ちょうど真ん中辺りに差し掛かったところでまた足がガクガクなりだした。 ただ単に酔っ払っているわけじゃない…❗と体が警告しているようだった。 部屋に入ると女の子が一人男の子二人相手に大立ち回りをしていた。 男の子達は成すすべもなくただ女の子に投げ飛ばされていた。 気は強いが普段はおとなしい女の子が豹変していた。 部屋に入っての第一声「下がれ❗❗」 私の声に驚いて全員の動きが止まった。 「そこへ座りなさい❗」 私は彼女の腕を引いて近くにあった椅子に強引に彼女を座らせた。彼女は不満そうに私を見上げている。「あんた誰❗」 と彼女が言う。「人にものを尋ねるときはまず己から名乗るものだ❗」と睨み付けると彼女はおとなしくなった。 「大丈夫かい⁉」私が今まで投げ飛ばされていた子達に話しかけると、突然彼女が立ち上がり「うるさい❗お前に用はない❗消えろ❗」と私を威嚇するかのように拳を振り上げた。それを見ていた男の子達が、止めに入ろうと彼女の腕をおさえた…はずだった。ところが…男の子二人は、いとも簡単に彼女に部屋の端まで吹っ飛ばされた。 霊にとり憑かれた人間は異常に力が強くなる。 普通の人間が、力だけでおさえ込もうとしても、それは無に等しい。 「あんたら❗怪我したくなかったら彼女に触るんじゃない❗」と私が言うと彼女は「良くわかってんじゃん。」そう言って満足そうに笑みを浮かべた。
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