悪夢

4/6
前へ
/6ページ
次へ
時計を確認してみる。朝の9時半。 今日は祝日だから学校は休みだ。 僕の名前は小池勝平。コイケカッペイと読む。 さくら小学校の2年生だ。 小池徹平と1文字違いなので、学校のみんなからは「ワット」って呼ばれる。 でも、僕の見た目は小池徹平とはほど遠く、 どちらかといえば「小さな内山信二」という感じだ。 みんながおちょくって「ワット」って呼んでいるのだって知っている。 勉強はあまり出来ない。運動も苦手。見た目は汗かきのデブとくれば、 やはりイジメの対象になってしまう。 そんな僕に、唯一仲良くしてくれるのが、同じクラスの「シンちゃん」だった。 シンちゃんはすごい貧乏な家の子だ。 シンちゃんはいつもTシャツに半ズボン。 履いている靴はコンバースかと思いきや「パンパース」って書いてある。 思いっきりバッタもんだ。 おまけにカラダはちょっと臭い。 そんなシンちゃんの事をクラスのみんなは避けているけれど、 僕は優しいシンちゃんの事が大好きだ。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加