20人が本棚に入れています
本棚に追加
「早瀬さん?」
「ー!」
「黙り込んじゃって…どうかした?」
「あ、ごめんなさい。ちょうど今頃だったんですよね。坂下センパイとこんなふうに話すようになったのって。そんなこと、思い出してて」
「あぁ…そうだね。もう1年経つんだね……」
思いを馳せるように呟いた坂下。
「あのね、早瀬さん」
「?」
「その…受験控えて何言ってるんだ。って思うだろうけど、僕はキミに言っておきたいことがあって…」
「キャっ…!」
ガクン!と急ブレーキを踏まれため、夏蓮がバランスを崩したのだった。
「大丈夫!?」
「あ、はい。ありがとうございます、大丈夫です」
坂下に肩を抱かれるように支えられながら、夏蓮はそう礼を言った。
「そう。良かった」
にこやかにそう言うと、夏蓮の肩を抱く手をそっと離した。
「あれ?そう云えば……センパイ、何か言いかけませんでしたか?」
「あ…あぁ……えっと、何だっけ?何だったかな?また思い出したら言うよ💦」
「はい」
夏蓮は小さく笑って、頷いた。
最初のコメントを投稿しよう!