告白

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そうしてひとしきり笑った後、夏蓮は熱を出していた間また、弟に面倒をかけてしまったことを話し、坂下はその話しに楽しそうに耳を傾けた。 「弟に面倒をかけるって、なんだか姉として情けなくって」 「病気だったんだから、そんなふうに思う必要はないよ」 「…そうかな?」 「そうだよ」 「いつもちゃんとトオルのお姉さんらしく出来てればそんなふうに考えられるんだけど…。トオル、凄くしっかりしてて落ち着いてて頭もいいし…つい、そんなトオルを頼っちゃうところがわたし、あって…」 坂下は微笑ましいと云うように笑みを浮かべると、 「いいんじゃないかな」 と言った。 「姉弟なんだから」 (あ…れ?今また何か頭を掠めたような……) 「見れる方が見ればいいんだよ。それに、嫌だったらそうそう面倒なんてみないよ。羨ましいなぁ」 「羨ましい…?」 「うん。羨ましい」 「ーー…何が?」 少し考えて、夏蓮は訊いた。 「弟さんと、キミの関係」 「トオルとわたしの?しっかり者の弟と、頼ってばかりのわたしの関係が?」 「正確にはちょっと違う」 「?」 「無条件で、キミの傍に居られる関係」 “間もなく、成稜高校前。成稜高校前。お降りの方は…” 「着いちゃったね」 意味が良くわからない。と云う表情の夏蓮に、坂下はいつものように変わらない笑みに少し顔を赤らめてそう言うと、夏蓮の腕を取った。 「降りないと乗り過ごしちゃうよ」 ぽかんとした夏蓮を連れて、昇降口を降りる坂下。 「…僕はそれでもいいんだけどね」 背中越しにそう言うと振り帰り、少し照れた表情で言った。 「キミが好きなんだ」
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