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そして気づいた。料理の独特な香りの中に、何か得体の知れない危なそうな物質が混ざっていることに。
「シズ様、ティー、食べる前に少しお時間をいただいてもよろしいでしょうか?」
陸の制止の声に、二人は訝しげな眼で答える。
「どうしたんだ?」
「すみません。ただ、この料理から得体のしれない匂いがします。」
「なんだい、お客さん。うちの料理にケチつけるってのかい?うちは国産の無農薬野菜を使ってる。滅多なこと言うもんじゃないよ。」
ティーの左側、配膳を済ませて引っ込もうとしたシェフは釘を刺した。
しっかり二秒はメンチをきかせた後、厨房へ下がっていった。
それを見届けた後、シズは、「それで、何なんだい?それは?」
彼は大人でした。シェフの言葉はまったく意に介していません。
「…………。」
ティーも無言の問いを投げかける。
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