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「田川部長も急ね」
くすくす笑いながら、受付に立つルリが言う。
「ごめんね。……もうどうなるやら」
気が重いままなのは変わらないけど、一度決めたことはぐずぐずしたくない。
「藍さん、気をつけて行ってらしてくださいね」
代わりに受付へ入ってもらった彩乃も笑って声をかけてきた。
この数ヶ月でずいぶん成長したし、頼れるようになった。
「川合、日報もよろしくね。ルリちゃんは今日もルーザスに乗った王子様がお迎えに来るんだから」
「お安い御用です」
「王子様にしては老けてるわよ」
冷やかしにも負けずにルリが返す。
ふわっと薔薇色に光ったようなオーラがあって、本当に幸せそうだった。
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