モノガタリ

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古い廃校 空かずの間と呼ばれる場所 彼女はずっと… そこに居た―――…     「はじめまして、中野恵です」 粋なりの自己紹介に少年は戸惑いながらも 「工藤要です…」 と応える 初めは戸惑いだが引き合う二人 そして少女…恵は話した 誰も知らない 終わらない物語を       昔、ある学校で起きた不思議な出来事です その学校の図書室には何も書かれていない本が有りました その本は不思議な事に何を書いても消えてしまうのです ある日一人の少女がその本に触れた時、本から強い光が放たれました 次に目を開けた瞬間、少女は消えていたのです まるで、少女など初めから居なかったみたいに… 存在その物が消えて無くなったのです でも、少女は生きていました 本の中で永遠に始まらない 終わらない物語の中に生き続けているのです   「それが私…中野恵」 恵はそう言い、微笑んだ 「そんな事…「現にあってますよ?因みにこれがその本です」 恵が持つ一冊の本 要は訝しんだ こんな事が本当にあるのだろうか… 「触れちゃ駄目だよ。君まで飲み込まれるから」 寂しそうな恵の顔を見ると、要は自分でも気付かない内に体が動き、本を手にとった 「…何故?」 「何故かな…多分、逃げたかったから」 そう言い要は微笑む 「…君も逃げたかったのね」 「かもね…」 二人が出会ったのは偶然ではなかった 偶然なんて存在しない 全ては必然なのだから 「これからよろしく?」 「此方こそ」    
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