空白

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「獅子戸君、何組だった?」 昇降口に張り出されている紙でクラスを確認していると、兵藤さんが尋ねてきた。 「俺は1組。兵藤さんは?」 「ホント?私も1組!これからよろしくね♪あ、私の事は里奈でいいよ」 「あ、おう。じゃあ、俺の事も慧一でいいから。」 今日知り合ったばかりなのに下の名前で呼び捨てと言うのはなんだか妙な感じだが、そう呼べと言われたからには仕方ない。あの流れで俺も言わないのはおかしいし。 「じゃ、行こっか」 「おう」 案内によると校舎は4階建で、上から順に1年、2年、3年らしい。普通は逆じゃね?と思ったが、1階の階段脇に購買を見つけ、何となく納得した。 ガラッ 教室のドアを開けると皆の視線が俺達に集まり、その中の一人が口を開いた。 「里奈!?」
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