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奈穂になだめられ、落ち着きを取り戻した真紘。
「ごめんね奈穂。私何時も甘えてばかりだよね…なんか情けない。」
奈穂は昂也と目を合わせて苦笑いをした。
「何時までたっても料理はいまいちだし、掃除は一樹の方が手際いいし、この前なんか」
「はいっストップ!」
真紘の愚痴を遮る奈穂。
「全く相変わらずなんだから!人には向き不向きがあるの!真紘は芝居で輝いてるでしょ!忙しくても出来る範囲で家事だってやってる。全て完璧に出来る人なんていないの!」
昂也も優しく頷いた。
「ほらっ!入学祝いの準備しよ!夕方には謙太郎も美音も詩音(次女)も来るって!」
奈穂が立ち上がる。
「そうだよな。お義父も刺身持って来るって言ってたし、ほらっ!真紘!」
昂也が手を差し出す。
真紘はその手を掴み立ち上がると、洗面所へ向かい、顔を冷たい水で洗い、髪の毛を束ねた。
「久しぶりにグラタン作るぞ!」
そう言いながら二人に笑いかけた。
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