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本当は、嬉しくて仕方なかった。
社長にも、春奈ブランドの店を出すか!
そんな意見も出たが、春奈は笑ってごまかした。
女優を片手間にデザイナーをするのは、春奈には考えられなかった。
実際たまたまヒットしたが、そんなに甘い世界ではない事を春奈はよくわかっていた。
やるなら留学して、基礎からやりたかったが、現実そんな事は出来ないと思っていた。
スケジュールは半年先まで詰まっていた。
応援してくれている人を裏切り、自分の気持ちに正直に生きるのは、とてもではないが出来なかった。
そんな春奈の心中を、祖父は見抜いていたのだろう。
春奈はスッキリとした気持ちで、祖父を見送る会の支度へ戻って行った。
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