憂鬱

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「似た者同士が傷を舐め合っても……結局虚しいだけなのにね」 エリはそう言うと、煙草を俺に返し何処か遠くを見つめていた。 受け取った煙草を一口だけ吸った後、俺は彼女に尋ねた。 「お前も……叶わない想いを抱えてるのか?」 彼女は視線を俺に戻すと、暫く考えていたようだったが 「まぁ、近い感じかしら?叶うか叶わないかは努力次第ってとこね」 そう言って寂しそうに微笑むと、そっと俺の肩に顔を寄せた。 努力次第か…… エリの温もりを肩に感じながら、この狂おしい感情はどうするべきなのかを考えていた。 激しい流れに身を任せたら……俺は何処に行き着くのだろうか? 答えは既に目の前に出ているが、まだ認めたく無い俺はギリギリのラインで踏み止まっていた。 風邪のように数日経ったら、治ってしまえばいいのに。 そんな望みは叶うはずが無いのだが…… 「朝まで少し眠りましょう。考えたってすぐには答えなんて見付からないわよ」 そう言われて、俺は素直に並んで横になった。 エリは不思議な女だ。 何故か彼女の前だと素直になれた……
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