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何処までも果てしなく澄み渡る青空下、今日この日を無事迎えられた事に、俺は一人控室で安堵していた。
『一度欲しいと思った者は絶対に手に入れてきた。
恋愛なんて所詮ゲームと同じ。
ルールは至って簡単。
相手に惚れた方が負け。
俺は常に勝者で有り続けたいから、勝つ為には手段を選ばない。
時には相手が望む俺を演じる事だって……
そして俺が勝った瞬間にゲームは終わり』
純白のタキシードは、そうやって人の気持ちを弄んでいた俺には、相応しくない気がした。
真っ白な彼女を汚してしまいそうで……
最愛の人に、俺はまだ言えない秘密を抱えている。
始まりについた小さな嘘。
今日こそは伝えなければ……
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