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健志の恋人は定期的に変わってはいたが、どの子も同じような共通点が有った。
彼等はまず見た目から可愛いくて……内面もまるで女の子のようだった。
いや、女性以上に女らしく気配りや仕種、言葉まですべてが美しい。
彼等はクリクリとしたつぶらな瞳を持ち、小柄で華奢な体だった。
外見では……俺は勝てそうには無い。
健志と同じくらいの180を越える身長。華奢とは掛け離れた筋肉質な体。切れ長な目……自分の容姿の全てを疎ましく思った。
いつしか俺は……健志の好きになる男達の仕草を観察し、真似をするようになっていた。
外見が好みと外れているなら、せめて内面だけでも……
そんな俺の変化が周りにどんな影響を及ぼすか、なんて事はもう考えられなかった。
健志に愛されたい。
もっともっと健志の側に居たい。
健志に愛される為なら、どんな事でもしようと思った。
それは今迄の俺からは、想像する事も出来ない変化だった。自分中心に回っていた世界は、健志中心の世界へと変わり……
俺はわたしへと変わっていった……
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