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はぁ……まただ。
目の前の女の子は確か営業の子だったか?
想いを俺に告げた彼女はすぐに俯き、頬が薄いピンクに染まってゆく……
基本的に会社の子には手を出さない。なぜなら、後々面倒な事になるのは目に見えているから。
わざわざそんな危ない橋を渡ってまで、社内で恋愛ゲームをする価値は無い。
例え彼女が俺のタイプだったとしても……
俺の中のルールは変えられない。
「悪いんだけど……気持ちには応えられない」
女に泣かれるのが一番面倒な俺は、それだけ言うとそのまま彼女に背を向け歩き出した。
ここで中途半端に優しくしても……意味は無い。
「畠山課長!待って下さい。私……」
「すまないが、何を言われても無理だ」
無表情でそう彼女に告げると、俺は二度と振り返らなかった。
今年の春に課長に昇進してから、この手の告白は増える一方で……
正直毎回煩わしく思っている。
将来を見据えた彼女達の惰性な想いは、ある意味恋愛をゲームとしか認識していない俺と同じなのかもしれないが……
俺は自分で選んで始めるゲーム以外、する気は全く無い。
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