適合者

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騒然とする中キョトンとしながら少女は神田を見上げた。 この時神田は初めて少女の顔を見た。 肩まであるサラサラで綺麗な薄茶の髪にブルーの瞳の少女はピンク色のワンピースを着ていた。 その可愛い少女に神田は少し見惚れていた。 『なんなんだ、アンタ!!』 街の住人のその声に神田は我に返り住人の方に顔を向けた。 『いい大人が子供相手に何してんだよ』 神田はそう言いながら住人達を睨みつけた。 『チッ…覚えてろよ…』 住人達は神田の気迫に恐れ逃げる様にその場を立ち去った。 『あ、ありがとう…ございます……』 少女は神田を見上げそう言い頭を下げた。 『あぁ…気にするな…』 神田はふと少女の体に目を落とした。 少女の服はボロボロに汚れていて、腕や足にはたくさんの生傷が出来ていた。
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