第四話

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友人が来た時の話。 うつ病を発症してまだ日が浅い時の事、薬のせいで幻覚症状のあった私ですが、 ようやく収まってよろよろしながらも穏やかに日々を過ごしてました。 ある日友達が寝不足で倒れてしまい、一番家の近い私の家に運びこみました。 友人を寝かせて私はもう一人の友人に麦茶をいれてた時です。 もぞっがりっ 玄関の方から(キッチンと玄関は隣接してます)聞こえるんでネズミかなんかかと思ってたんですけど… ネズミじゃなくて髪を振り乱した赤いワンピースの女性でした。 貞子のようにうずくまっていて、玄関先でうずくまってるんで幻覚なのかもしかしたらなんか苦しいのかと近づいてみたら。 胴体と足が透けて玄関にある靴が見えてました。 人間じゃないのは分かったんですけど幻覚と現実の区別のつかなかった当時の私は華麗にスルーして友人にお茶を配りました。 女性はガリガリと音をたててましたがしばらくするとそれも止んで、寝ていた友人が起き出しました。 友人達を見送る時に女性も起き上がり倒れていた友人の側に寄り添う様にしてドアが閉まると同時に消えました。 多分、女性は友人の守護霊じゃなかったのかなぁと今では思ってます。
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