第八話

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僕は、実家がかなりの山の中なので高校時代は市内の親戚の家に下宿していました。 夏休みに入り、実家に帰っていたんですが、あまりにも暇だったので自転車で市内に遊びに行くことにしました。 市内にでるには峠を一つ越えなければならず、帰りは時間がかかることは分かっていたので、 早めに帰るつもりだったのですが滅茶苦茶遊んでしまい峠の麓に着いたときにはすっかり暗くなっていました。 峠にはほとんど街灯がなくかなり怖かったのですが、しかたがないので我慢して上り始めました。 親父曰く (今から二・三十年程前あそこの峠の頂上付近で焼身自殺があった) とのことです。 それを聞いて理解出来ました。あれは自殺者の手だったのだと、 枝のような物は焼け焦げた指だったのだと。
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