第十一話

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それは電車というより、よく遊園地などにあるお猿さん電車のようなもので数人の顔色の悪い男女が一列に座ってました。 私はどうも変な夢だなと思いつつも、自分の夢がどれだけ自分自身に恐怖心を与えられるか試してみたくなり その電車に乗る事に決めました。 本当に恐くて堪られなければ、目を覚ませばいいと思ったからです。 私は自分が夢をみていると自覚している時に限って、自由に夢から覚める事が出来ました。 私は電車の後ろから3番目の席に座りました。辺りには生温かい空気が流れていて、 本当に夢なのかと疑うぐらいリアルな臨場感がありました。 「出発します~」とアナウンスが流れ、電車は動き始めました。 これから何が起こるのだろうと私は不安と期待でどきどきしていました。 電車は ホームを出るとすぐにトンネルに入りました。紫色ぽっい明かりがトンネルの中を怪しく照らしていました。 私は思いました。(このトンネルの景色は子供の頃に遊園地で乗った、スリラーカーの景色だ。 この電車だってお猿さん電車だし結局過去の私の記憶にある映像を持ってきているだけでちっとも恐くなんかないな。) とその時、またアナウンスが流れました。
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