第十七話

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僕が小学校の頃の話です。 何をやらかしたか忘れてしまいましたが、お仕置きのために、庫に閉じ込められたことがありました。 幼い頃から 「蔵には蔵婆とゆうのがおって悪い子は食べられてまうんやよ」言われていましたが。信じてはいませんでした。 蔵の中は真っ暗でしたが。それほど怖くなく 「まあ、その内出してもらえるやろ」と思い、ぼんやりと考え事をしていました。 何時間たったでしょうか。いきなり背後で何者かが飛び降りたような 「ドタン」という音がして僕はあまりのショックに大声で泣き出してしまいました。 その声を聞き付けた母が僕を出してくれ、その日はそのまま寝ました。 次の日「あれは、積んである荷物が崩れたかなんかしたんやろう」 と結論ずけた僕は確かめのに行ってみました。 鍵を開けて蔵に入ると中の荷物はきちんと整理され、全く乱れていませんでした。 祖母が片付けたのかとも思いましたが、僕が蔵を出た後は誰も蔵には入っていませんでした。 あれはなんだったのでしょうか 祖母は、「蔵婆が上から飛び降りてきたんや」と言ってましたが。
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