第二十三話

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これは、私が大学に入ったばかりのころの話です。 私の大学は、毎年1年生だけでの合宿があります。 合宿場はとても古く、隣接して地下一階地上一階の体育館がありました。 係りの人が 「体育館の地下には行かないでください。実は昔、この近くにある工場で爆発事故がありまして。たくさんの人が亡くなったんです。そのとき、遺体を体育館の地下に並べていたんです。それで何がある訳じゃないですが、気持ち悪いので。」 と言ったんです。 ただ、そう言われてると行きたくなりますよね。行ったんです。夜中に友達と私も合わせて4人で。 地下は、なんかかび臭くて、変な染みとかあったんです。でもそれだけであまり怖くはありませんでした。 地下を出て、どうしようか話し合ったんですが、今度は爆発事故のあった工場に行ってみようという事になりました。 工場は宿泊場のすぐ近くにあり、すぐに見つけることができました。そこはボロボロで窓は全て破れ、柱も焼き焦げていました。 しかし、部屋に戻ると、友人の一人が「・・・あのさ。あそこにカーテンなかった?」と聞いてきたのです。あるわけありません。 だって、すべて焼けてたんですから。「でも、なんか人の顔みたいだった。」友人は話しますが、誰も信じません。私も信じてませんでした。しかしその夜です。 私たちの隣の部屋に誰か来たそうです。それは引きずるような音をたてながら寝ている友人(探検に行ってない人)に近づいてきました。 ・・・ずる ・・・ずる・・ そこにカーテンを見た友人が遊びに来たそうです。友人が部屋に入ってみると、寝ている人の顔を 老人が覗き込んでいたそうです。 「違う・・・これも 違う・・・ これも 違う」 友人が驚いていると、老婆が友人に近づいて きて、友人の顔を覗き込んで言ったそうです。 お ま え だ !!!!!! 友人が目を覚ますとそこは体育館の地下室前だったそうです。 あれはなんだったんでしょうか?
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