第二十四話

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「なんか、鈴の音聞こえへんかった?」 と私は母に尋ねました。 「あ~なんかお坊さん歩いてたみたいやったなぁ」 異様なほど冷静な口調で母は言い。 「今日はやばいかもな」 と呟く様に言いました。 母は霊感体質でよく金縛りにあったり、予知夢の様なモノを見たりする人でした。 その母が言うんですから、きっと今日は出るんだろうと思いました。 けれど私は今まで1度もそんな体験をしたことなったので、他人事の様に 「まぁ頑張れ、ママ」 と言って苦笑した母を見、私は部屋をあとにしました。 それから何時間か経ち、そのこともすっかり忘れ、そろそろ寝ようとベッドの中に潜り込みウトウトし始めたころ、体が硬直し、まるで自分の体じゃないような感覚に襲われました。 グワアァァン と、頭の中に機会音のような音が響き、そしてその音と共に酷い耳鳴りとあの鈴の音が聞こえてきたんです。
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