第二十六話

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2.家にやってくる足音 中学二年の夏休み、私は体調を崩して家で1人で寝ていました。 目をつぶっていると、玄関のほうからぺたぺた裸足で歩いてくる音が聞こえました。 はじめは母が帰ってきたぐらいにしか思わなかったのですが、時計を見るとまだ母が帰ってくる時間まで3時間ぐらいあり、さらに自分が寝ている隣の部屋をぐるぐる回っている音が聞こえたので、 (コレはお母さんじゃない!怖えええええええ!) と思い、布団を頭からかぶって丸まっていました。 そしてそれは私の枕元までやってきてしばらく周りをふらついた後、窓を開けるバシーンという音と共に去っていきました。 音がしなくなったあと部屋中の窓を調べましたが、全て鍵がしっかりとかかっていてゾーッとしたのを覚えています。 同じものがどうか分かりませんが、その足音は、未だに私が1人のとき家にやってきます。
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