第二十九話

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それから、3日後。 いつものように、西は部活で遅くなり真っ暗な中を帰ってきました。 マンションにつくと1階の集会所でその人のお葬式が行なわれていたそうです。 「俺も線香あげなきゃ・・・。」 と考えながら、エレベーターに乗りました。 中には誰も乗ってません。 いつもの窓付きエレベーター・・・・。 14階を、押しボーっとエレベーターの窓から踊り場を見ていたそうです。 エレベーターは、10階まで来ました。 「そういえば、あの人結構踊り場でエレベーター待ちしてたな~、なんか嫌な感じだな~。」 と思いながら、10階から11階へ・・・。 その時の事を西は「なんか、嫌な予感したんだ。」って言ってました。 エレベーターの窓の上のほうに11階フロアーの窓の下のほうが重なる・・・。 そこに、手が2つ“ペタッ”っとくっ付いている・・・。 よく、子供とかがそういうタイプのエレベーターでやりますよね。 下から来るエレベータを覗きこんでるように・・・。 そんな感じだったそうです。 誰かが西を覗き込んでいる・・・・・。 だんだんその人が見えてきます。 そして11階のあちら側には、間違いなくあの自殺者が、あの11階の専門学生が窓に手を付け、こちらを覗きこんでいたそうです。 いや、覗いてたというよりは、睨んでた・・・。 エレベーターは、そのまま11階を、通過します。 14階について西は走って部屋に戻り兄にその話をしたそうです。
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