第一章 いつも変わらぬ風景

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ガサッ… 猫が草むらから飛びだしてきた。 「ヒッ…!な、何これ…!!」 リンは驚きと恐怖の入り混じった声をあげた。 猫の姿。顔こそは白いがその体は血でまみれていた。 そしてその体からはえている尻尾は3本。 リンは悲鳴をあげて駆け出す。 (なっ、何よ。あれ!?逃げなきゃっ!!早くっ) リンはパニック状態だった。 ただただ恐怖だけが脳内を支配していた。 そのため逃げる事に集中しすぎていたリンは、足下の注意ができていなかった。 ザッ 「!!?………ったぁ…。」 リンは運悪く、木の根に足が引っかかって転んでしまったのだ。 フシャ~ッ! 猫?はもう自分の近くまできていた。 そしてその体は先ほどまでとは変わり、毛を逆立てて牙をむき出しにしている。また見た目だけでなく大きさも先ほどより大きく、犬なみの大きさだ。 猫はリンに飛びかかろうと向かってくる。 リンは絶望し、もう駄目だと思い目を瞑った。
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