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きつく目を瞑ったリン。だが、思ったような痛みは襲ってこない。
不思議に思い、そろそろと目をあけると目の前にいたのはあの白い(血まみれだが)猫ではなかった。
リンの目の前にいたのは、金色の毛をした四本の尾を持つ美しい猫だった。
フシューー!!
白猫は金毛の猫に飛びかかるが、サッとかわされる。また白猫はかかっていくが、それもなんなくかわされる。
そんなやりとりが続き、リンはそれに見入っていた。すると、
《何をしてるんだ!早く逃げろ!!》
頭の中に声が聞こえた、というより頭の中に響いた。
リンはハッとして、すぐに駆け出した。
リンは走った。その頭の中はパニック状態だ。
(あの白い化け物、一体何なの!?)
(猫?違う…。何か嫌な感じがする…。…やだ、怖い。)
(体が重い…。気持ち悪い。)
(走らなきゃ……。早くここから出なきゃ。)
いろんな思考がリンの脳内を渦巻く。
リンはとにかく走り続けた。
するとリンの先に光がみえた。
(やった、出口!!)
疲れきった体を精一杯動かす。
そして、一気に視界が開けた。
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