勇者様は最強!?

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トボトボと歩いて少し。 「あ!見えましたよ!!」 目の前にそのモンスターの住処らしい洞窟を見つけた。 「シオンさん!!あそこですよね?」 「うん。」 彼は普通の、自然な笑顔を浮かべた。 あ (こんな笑い方もするんだ…。) 何故かぼーっとしていた私は、 スタスタスタ…。 「!?ちょっと待って下さい!! 」 もの凄いスピードで入っていった勇者を全速力で追いかけることになった。 *************************** いつも走っていない運動不足の私は、懸命に走って、やっとのことでシオンさんにおいついた。 「ちょ、は、速い、んですけどっ…。 」 息を整えながら言うと、彼は、 「あ、ゴメン……あの屑村人どものめんどくさい依頼さっさと終わらしたくてね。」 ピキリ、と私は固まった。 What? …あれ?今小声で何かいいました? あの屑村人どもとか。 聞き間違いかな?きっとそうだよね!! 無理やり納得させた私を勇者は 「大体あいつら、自分でやれよ。全滅覚悟でやれば勝てるだろ。たかがザコごときに何やってんだよ。勇者だって忙しいんだよ、コノヤロー。つーか、なんで俺がこんなことを…あの村長め…変な勘違いを… 」 壊してくれました。 ぶつぶつと言いながら、歩いていく勇者様。 体から黒い靄が。 …うん。聞き間違いではなかった。 なんでモンスターは耳がいいのかなぁ。 聞きたくなかったよ、 勇者様少し黒いだけで、優しい人だと思ってたのに…。 確実に足が重くなりながら、 いまだ黒い靄発生中の勇者を追って、歩き出した。 だって一人は怖いんだもん。 魔王はやっぱりチキンだった。
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